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Mercerie Hige

明石のタコ

 前回の、「前世のナゾ」に引き続き、私が普段疑問に思っているどうでもいいこと。
 第2回目は、「明石のタコのナゾ」。
 なんかね、私の中途半端な知識では、「明石のタコは、流れが速いところにいるから身が締まっていて美味しい」ってことになってたと思います。
 ただね、ここでいくつか疑問があるのございます。

 海ってね、比較的穏やかな瀬戸内海でも、潮の干満の時には流れが出てきます。
 でも、あれってね、海面近くだけなんですよ。
 7~8mくらいから下は、流れも無くなって、すごく穏やかなんです。
 そりゃそうですよねえ。海面から底までがんがんに流れてたら、泥が巻き上がってずーっと濁ってないとおかしいでしょ。

 でね、もう一つ。
 タコってね、昼間は岩の隙間とか、穴の中に隠れてじーっとしてるんです。
 で、夜になるとイソイソと穴から這い出して、カニとかエビとか、いわゆる甲殻類を狙ってウロウロします。
 このときでも、決して泳いだりすることはないです。地べたをジワジワと這っていく感じ。
 敵から逃げるときだけ、ピューっと泳いで逃げるけど、基本は地べたに張り付いてるんです。
 だから、昼間は穴の中に隠れる習性を狙った、蛸壺漁なんて漁が存在するわけですよ。

 こうなるとね、タコなんてえのはほとんど流れのない海の底でじーっとしてるわけですから、水泳選手のように流れの中を泳いで身が締まるってなことは起こりえないと私は思うわけです。
 明石だろうが、宮島沖だろうが、どこのタコもおんなじはずなんです。
 「明石のタコ」というブランドを作るために生まれた話なんでしょうね、きっと。

 ただ、「タコの旬」ってのは間違いなくあるります。
 というのは、タコは10月くらいになると、自分が引きこもっている穴の中(天井部分)に卵を産みます。
 卵を産んだ後は餌も探しにいかないで、ひたすら卵を守るんです。穴の中に海水を取り込んで、酸素をいきわたらせる作業だけに専念します。
 そうなると、タコもどんどん弱ってきて、体はボロボロになります。
 色は白っぽくなって、体はキズだらけ。
 棒でつついても(よい子のみんなは、マネしちゃだめだぞ!)力なくゆるりと巻きついてくるだけ。
 こうなるとね、さすがに美味しくないでしょう。
 タコの旬が8月くらいまでになってるのは、恐らくこういった理由からだと思われます。

 まったくメルスリーに関係のない「明石のタコ」の話、ご清聴ありがとうございました。


 今日はね、服飾学院の生徒さんが「先生からここのお店の名前を聞きました。」ということで、9人もやってこられました。
 見た目はね、いまどきの若い人でしたけどね、真剣にボタンを選んでおられました。
 ただね、「コートを作るんで同じボタンが13個いるんですよ。」といわれましたが、でかいボタン13個も同じのは置いてないです。残念!
 同じサイズで違うボタンを組み合わせていただけるとありがたいんんですけどね。
 また、遊びにきてつかあさい。まっとりますけえ。

 彼らと入れ違いに近所のナオさんと、同級生二人が来店。
 のんびりと世間話に花をさかせてました。

 あまり脚光をあびませんが、実は貴重なボタン。
明石のタコ_b0176211_22514672.jpg


 「N」のイニシャルボタンは、「M」とならんで一番需要があって、仕入れてもすぐに売り切れます。
 日本人の名前で多いんでしょうね、きっと。
 これが無くなったらおしまいです。Nの人、急げ!
 
by mercerie-hige | 2009-10-03 22:59